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プロジェクト管理における進捗評価手法に EVM(Earned Value Management、アーンド・バリュー・マネジメント) があります。今回は、こちらを視覚的なグラフと詳細な対応表を組み合わせて解説していきます。


プロジェクトの「今」と「未来」を数値化!EVM完全理解ガイド

この図は、プロジェクトが当初の計画通りに進んでいるか、コストは予算内に収まっているかを、時間、コスト、出来高の3つの視点から評価する手法、EVMの全体像を示しています。左側のグラフと右側の対応表が連動しており、各指標の意味、計算方法、そしてグラフ上の見方が一目でわかります。

1. グラフの基本構成(左側)

  • 横軸: プロジェクト開始から完了までの「時間」の経過。
  • 縦軸: 「コスト(予算)」または「価値」
  • 現在時点: プロジェクトが進行中の特定の時点。ここから左が「実績」、右が「予測」エリアになります。

2. 基本となる3本の線(現在まで)

プロジェクトの「今」の状態を表す、最も重要な3つの数値です。

  • 計画値 (PV – 青): 当初の計画通りに進んだ場合の、時間経過とともに積み上がるべきコスト(予算)の目標線です。
  • コスト実績値 (AC – 赤): 実際にプロジェクトに投じられたコストの合計線です。
  • 出来高実績値 (EV – 緑): 実際に完了した作業の「価値」を、当初予算で換算した線です。このEVが「現在時点のプロジェクトの成果」です。

3. 現在時点の「差异(ズレ)」を分析する(表とグラフの連動)

現在時点の「今」の状態を評価するために、2つの差異(Variance)をグラフと表で確認します。

  • SV(スケジュール差異 – グラフ上のEVとPVの距離):
    • 式: SV=EV−PV
    • 見方: グラフ上の緑の点(出来高)と青の点(計画)の間の垂直距離です。緑が下にあれば「計画より遅れ」、上にあれば「計画より進み」を示します。
  • CV(コスト差異 – グラフ上のEVとACの距離):
    • 式: CV=EV−AC
    • 見方: グラフ上の緑の点(出来高)と赤の点(コスト)の間の垂直距離です。緑が下にあれば「コスト超過(赤字)」、上にあれば「コスト削減(黒字)」を示します。

4. プロジェクトの「未来」を予測する

現在までの進捗傾向を基に、最終的な完了時の状況を予測します。グラフの「予測」エリアに表示されます。

略語名称数式意味
BAC
当初総予算
Bugdget at Completion
AC+(BAC-EV)PVの延長線(進行中)
EAC完了時コスト見積
estimate at completion
BAC/CPIACの延長線(計画時)
CPIコスト効率指標
Cost perfomance Index
EV/AC予算に対してどれだけ成果が出たか
SPI進捗効率指標
Schedule Performance Index
EV/PV計画に対してどれだけ進んだか
  • BAC(当初総予算): プロジェクト全体で最初に計画した総予算。計画値 (PV) 線のゴールです。
  • EAC(完了時コスト予測 – AC線の延長線):
    • 式: 現在までのコスト効率(CPI)を考慮した、完了時の最終的なコスト予測値です。グラフでは、現在のAC線を予測線として延長したゴールです。
  • ETC(残作業コスト予測 – グラフ上のEACと現在ACの距離):
    • 式: 現時点からプロジェクトを完了させるまでに、追加で必要となるコストの予測です。グラフでは、現在時点のACと予測されるEACの間の垂直距離です。
  • VAC(完了時コスト差異 – グラフ上のBACとEACの距離):
    • 式: 当初の目標(BAC)と、現実的な予測(EAC)の間の差です。グラフでは、計画のゴール(BAC)と現実の予測ゴール(EAC)の間の垂直距離です。

まとめ:

表に記載された複雑に見える式は、グラフ上の視覚的な距離を数値化したものです。この図を参考に、表とグラフを行き来することで、プロジェクト管理におけるEVMの各指標が、プロジェクトの「今」をどのように診断し、「未来」をどのように予測しているのかを、深く理解することができます。

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この記事を書いた人

USAで博士号を取得後にMBAで経営学を学んでいます。本記事では「理学博士がMBAを学んだら何ができる?」をテーマに研究者視点からMBAでの学びを紹介します。

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